青い雲 白い空

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 ジャスコまで50キロという看板が町外れに建っている様な田舎町を、高校卒業と同時に家出当然で飛び出したのは二年前の事だった。 タマネギ畑と牛しか無い町を出て、高層ビルが建ち並ぶような大都会で暮らすのが、私の小さい時からの夢だったからだ。  冬ともなれば地平線まで続く雪原が目の前に広がり、世間では春の便りが届く頃でも、雪に閉ざされるような日々にはうんざりだった。    だから高校時代に近所のタマネギ農家でアルバイトして貯めたお金で六畳一間のアパートを借り、生活に最低限度必要なものを揃えていた頃は、果てしなく広がる日々が輝いている様に思えたのは無理もない事だったと思う。
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