青い雲 白い空

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 涙が零れないようにと見上げた空の中に、一カ所だけ雲の隙間から青空の見える場所があるのに気が付いた。    それはまるで青い雲のように見えて、世界がひっくり返った様にも思えた。思い返せば全てが間違っていた丘も知れない。    私は故郷の田舎町で死ぬまで過ごしていれば、それなりに幸せな日々を過ごせたのかも知れないと思えてきた。  しかし、もはや過ぎた出来事であり、過去をやり直す事は出来ないのである。  今をやり直すしかないのだ。そんな時、アパートの窓から彼が帰ってくるのが見えた。    どうやら、パチンコで負けたらしく、殺気だった目をしている。きっと私をいつも通りにボコボコにして鬱憤晴らしするつもりなのは間違い無いだろう。
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