異世界の物語

１

少しコツを掴んだのか木から作った丸太を上に運ぶところまで難なくとか言い難いが、昨日よりは早くこなすことができた。

この４本を柱にするのはいいが、釘もないしな…。

あ、木に溝を作って組み合わせるってやり方があるわ。

風系の魔術で手に風の刃を纏い、丸太に切り込みを入れていく。

以前テレビか何かで仕入れていた情報を駆使し、あーでもないこーでもないとぶつぶつ呟きながらも着々と組み立てていく。

朝から途中お昼休憩を挟みながら作業を続け、なんとか壁まで作ることができた。

とは言っても、窓やドアの場所はただの空洞であるが。

あとは屋根と窓とドアで完成か…。

ふう…と息を吐く達也だが辺りはもう暗くなりつつある。

昨日と同じように結界を張り、残っていた果物を食べる。

魔力が増えたせいか昨日よりも少し余裕があるからか明日の事を考え始める。

屋根はなんとかなるだろうがドアはどうすっかな。

金具もないってことは木で作る…？

いやいや、素人には出来ないだろ…。

「ここまできて詰むとか…。」

ため息を吐くと達也はふて寝のような感じで就寝した。