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鬱蒼とした森林のなか、1本の巨木にもたれ掛かるようにして青年が寝ていた。 暖かな陽射しが青年に降り注ぎ、気持ち良さそうに昼寝をしているように見える。 「ん…。」 目を覚ましたのか小さく息をもらし、青年は身動ぎをするとゆっくりと目を開く。 陽射しが眩しかったのか、青年は目を細めながら周囲を見渡す。 ここは…? 見覚えのない景色に混乱するが、思考がぼやけているせいか何も考えられない。 この青年の名は久遠達也。 年齢は17歳で公立の高校2年生。 170cm程の身長に細いが筋肉質の身体、肩にかからない程度の茶髪に深い灰色の目。 目付きは少し細目でよく眠そうだと勘違いされる。 彼の容姿は悪くはなく、どちらかというと整っている方である。 まぁ、普通であるとも言うが。 目を覚ましたとは言え、まだ寝惚けているのか達也はボーッと上を見上げていた。 確か…俺は――― 徐々にクリアになっていく思考でようやく自らに起こったことを思い出そうと考え始める。
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