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「怜、体重計用意して」
「了解しました」
「さて、兄さん。量ろっか」
笑顔。それはもう黒かったでしょうとも。
まあ量った結果。
「学校に入る前より五.八キロ減ってるね。四捨五入して六キロ」
『あはっ☆』
「誤魔化されないよ?夏休みは一旦戻って来てね、食育だから」
『みゅー…』
「鳴いたってダメ!」
ただでさい細いのに、これ以上軽くなるとか冗談じゃない。
でも一番は僕と同じ体型でなくなること。それは即ち仕事ができなくなるという事。
それだけはあってはならないこと。仕事こそが兄さんが父さんに生かされている理由なのだから。
「犀都様」
怜の言葉に頷く。
ああ、もうお別れの時間らしい。
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