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「あ!そうだ!宗ちゃんってどうしてます?宗ちゃんも3月ぐらいまでは良くきてたのに・・・」
「あー、あいつか。
あいつは今警察官だ」
「え・・・えぇぇぇぇ!?」
そ、宗ちゃんが警察官!?
「って、言ってもまだ卵だがな。
今年から警察学校に行ってるよ。
全寮制だからしばらくはこっちにこれないだろうな」
「そうなんだ・・・ちょっと意外かも」
宗ちゃんが警察官を目指しているなんて・・・あ、でも警察官の制服着てる姿を想像したら、ちょっと良いかも♪
「お!珍しいな!」
私は宗ちゃんの警察官姿を妄想している間に、いつの間にかbarに人が入ってきていたらしい。
私はカウンター席から顔だけ振り向いて、入ってきた人物を確認する。
「どーも」
軽く頭を下げて挨拶しているその姿は、タカだった。
「タカ!やっぱり来てくれたんだ♪」
嬉しくてカウンター席から飛び降りてかけよる私。
そんな私をひょいっと避けるタカ。
・・・なにげにひどい。
「別にお前の為に来たわけじゃねーよ。気が向いただけだし」
タカはぶっきらぼうにそう言うと、私の横をすりぬけてカウンター席に座る。
「素直じゃないなーお前も」
にやにや笑いながらマスターはタカの目の前にコークハイ用のコーラを置いた。
「ちげーし」
私からはそっぽを向いた形な為、タカの表情は見えなかった。
「ひどいよタカ、せっかく久しぶりに会ったのに。
まあ、今日学校で会ったけど」
私はタカの隣の席に座って話しかける。
「お前、あんま学校では話しかけんなよ。目立つだろ」
「そんな事言ったって、学校以外で話できる機会なんて無かったじゃん」
むうっと膨れる私。
「・・・今度からは、もうちょっとここに顔出すからさ。
だから学校ではあんま話しかけんな」
「わかった。”あんま”話しかけないようにする」
あんまりを強調して頷く私。
たまになら話しかけて良いって事に解釈しました。
「ところでタカ、風邪ひいてる?
なんか声変だよ?」
「あー違う。これは・・・」
「声変わりだろ?」
タカの言葉をマスターが遮って答えた。
「ええ!?声がわり!?タカが!?」
「・・・お前失礼だな、ほんと」
さすがのタカも腹が立ったのか、眉間にしわをよせている。
「ご、ごめんごめん。いや、なんかまだ小学生気分がぬけなくて」
私は慌てて謝った。
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