さいかい

12/22
前へ
/139ページ
次へ
いやーでも、そっか。 もう中学生となると男の子は声変わりとかになるんだ。 なんか男の子ばっかりずるいなー。 私達女の子は外見なんてちっともかわらないのに。 あ、でもクラス1の美人さんは背が高くて胸も大きくて高校生ぽく見える子もいたっけ。 いーなー。私は外見も中身もちっともかわらないや。 「で、リンは?」 「あ、リン君は・・・」 私はマスターにしたのと同じ話をタカにする。 「ふーん。で、それどうやって聞いた?」 「え、そりゃ・・・テレパシーで」 マスターが厨房に行ったのを確認して返事をかえす私。 「お前・・・超能力無くしてーの?」 「そういうわけじゃないけど・・・。 早く無くなっては欲しくないけど全く使わないってのも、なんか嫌で」 「ふーん。まあ、いいけど。 俺には関係ねーし」 タカは冷たい言葉でこの話を終わらせようとした。 「タカは・・・タカは超能力戻って欲しくないの?」 ずっと聞きたくて聞きそびれていた事を私は意を決して聞いてみた。 気を悪くするのはわかっていたけど、どうしてもこれだけは知りたい。 「全然。無くて清々する。 スバルも同じ気持ちだってよ」 さらっと答えるタカ。 「・・・そっか」 そんなもんなのかな超能力って。 あったら便利だけど無くても困らない。 タカ達にとってはそんなレベルなんだろうか・・・? 「お前さー。勘違いしてるだろ」 「え?」 「別に超能力が無くても俺達は・・・・・・友達だろ」 タカは照れくさそうに似合わない台詞を言うと、席からたちあがり小さな声で「じゃあな」と言って早歩きで帰ってしまった。 全然タカの話と関係ない事を考えていた私だけれど タカのその台詞はとても嬉しかった。
/139ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加