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「なんでもないよ」
「なんでもないなら即答しなさいよ!」
う~ん、何故この女の子はこんなにも怒っているのだろう。
「もしかして私、あなたを怒らせるような事何かしてた?身に覚えはないけど、もし無意識に何かしてたなら謝るね」
もしかしたら廊下をすれ違う時にぶつかったりしたかもしれないし、もしそうなら謝らなきゃね。
「・・・謝らなくて良いから、ただの友達ならこれ以上タカヒロ君に近づかないで」
「・・・へ?これ以上って?私そんなにタカに近づいてないと思うけど・・・」
実際学校ではあまり話かけるなって言われてるから、部活の時にたまに少し話すぐらいだし。
「とぼける気?私知ってるのよ、あなたがタカヒロ君と放課後会ってるって事」
「え?」
もしかしてbarで会っている事を言ってるのかな?
だとしたら中学生がbarに通ってるって事で問題になってるのかも・・・。
やばい、どうしよう・・・。
「家まで送ってもらってるそうじゃない?ただの友達が家まで送る?本当はデートしてるんでしょ!?」
あ、もしかしてbarの帰り道暗いからたまに送ってくれてるけど、その事を言っているのかも。
って事はbarに通っているって事はばれてないのか。
良かったー。
「ただの友達だけど、送ってくれているだけだから!むしろ人に頼まれて嫌々送ってくれる時もあるぐらいだし!」
マスターに「暗くなってからの女の子の1人歩きは危ないから、男なら送って行くのが務めだ」なんてお説教もされたりするし。
「・・・じゃあ、本当のほんとーに友達なのね?」
やっと信じてくれたのかツリ目子ちゃんは少し優しい声になった。
「うん!ただの友達!!」
「・・・そう、なら良いけど。
でも、これからはあまり近づかないで、良い?」
「うん。気をつけるね」
どこまでなら近づいて良いかはわからないけど、逆らったら再び怒りだしそうなので素直に言う事を聞くのが懸命だと思います。うん。
「約束したからね。それじゃあ」
そう言ってツリ目子ちゃんと双子ちゃんは去っていった。
そして、私は部活に遅刻した(泣)
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