笑顔の裏には

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時間は飛んで、お昼休み前の4時間目の授業終了の合図であるチャイムがなった時だ。 4時間目で数学の授業を教えていたミヨちゃんが、授業の終了を伝えるや否や、ボクに話しかけてきた。 「ティルくん、菜乃子さんと咲さん、藍さんと一緒に理事長室に来てください」 「え?」 ついミヨちゃんの揺れる2つの特大メロンに気を取られて、少し聞き逃してしまった。 でも雰囲気で何となく、デュエル部関係の呼び出しをされたんだと察せられたのが救いだったかな。 「分かったよミヨちゃん」 「よろしくお願いしますね」 ミヨちゃんは笑顔で告げると、そのまま教室を出ていった。 さて、ボクも3人を集めないとね。 そう考えながら、まずクラス内にいるナノコの方へと目を向けると、 「むすー……」 ボクを静かに睨んでいた。 さっきミヨちゃんのに気を取られちゃった件かな? あはは、やっぱりナノコは可愛いなあ。 ボクが手を振ると、ナノコは呆れたのか溜め息をついた。 ………………。 サキとアイちゃんも電話で呼び出して、ボクたちは理事長室前の廊下へとやって来た。 ちなみに理事長室はボクとナノコが理事長に会った時の部屋だ。 当然、ナノコに教えてもらった。 あの時も思ってたけど、理事長室前は床がフローリングではなく赤い絨毯みたいになっている。 しかもそれなりに汚い上履き等で毎日踏まれているハズなのに、汚れはほとんど見当たらない程、清掃が行き届いている。 理事長室の扉も、木製で天井とほぼ同じ大きさで威圧感がある。 お金かかってるなぁー。 「どうしたのティル。早く行きましょう?」 「あ、うん」 ちょっと呆気にとられていたボクは、サキの声掛けで我に返った。 そうだそうだ。昼休みは長くないんだし、早く理事長室に入らないとね。
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