笑顔の裏には

6/51
前へ
/258ページ
次へ
「実は私の日堂家と、杏花家はライバルのような関係でね。私が贔屓しているデュエル部だからこその妨害なのではないかと睨んでいる」 クィンはライバル云々は言ってなかったけど、ボクの転入やデュエル部の情報をかなり早く入手していた理由の納得に繋がるね。 ボクがそんな考えごとをしている内に、ナノコが理事長に再び質問した。 「でも……いくら杏花家といっても、学園の生徒全員をデュエル部から遠ざけるような真似が出来るとは思えないんですけれど……」 「杏花家の息がかかってる教師や生徒が噂を広めたらしい。デュエル部に関わると良くないことが起きるといった感じにね」 なるほど。先生も噂を広めてる人がいるとなれば、信ぴょう性が高まってボクらに寄り付かなくなるのも不思議じゃないね。 ボクが納得してウンウンと頷いていると、サキが理事長に質問した。 「どうすればこの状況がどうなるんですか? アタシたちには難しい気がするんですけど……」 すると理事長も少し苦い顔をしてきた。 「うむ、その通りだ。だが他の教師に呼びかけてもイタチごっこになるだけだ。そして私が杏花家に掛け合っても、上手く躱されてしまうだろう。……すまないが、これを解消できるのは真の当事者である君たちだけなのだ」 理事長のその言葉にナノコやサキは目を開いて驚いていた。 でもボクは元々自分でどうすればいいか考えてたから、ビックリはしなかった。
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加