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結果はビンゴだった。
ポニーテールの女の子は、デュエル部の根も葉もない悪い噂のいくつもを男の子に吹き込んでいた。
その中には私や咲さん、藍さんの悪評もあったけど、
大半がティルに対してのもので……
それを聞けば聞くほど、私はどんどん怒りを湧き上がらせていた。
そしてそれは、咲さんも同じだったみたいで──
「逃がさないわよ!!」
二人が話を終わり男の子が走り去って、ポニーテールの女の子が一人だけ残された状況になった瞬間、咲さんが真っ先に飛び出して女の子を襟を捕まえた。
「うわあ!?」
女の子は驚きでバランスを崩して尻餅をつきかけるけど、咲さんが襟を力強く持ち上げることでそれを回避させた。
でもそのせいで、女の子は少し苦しそうに顔を歪めた。
「アンタ、黙って聞いてりゃムカツくことばっか吹き込んで……! 言っとくけど、さっきの会話はこのボイスレコーダーに全部入れといたからね」
「──っ!」
咲さんがもう一つの手でボイスレコーダーを女の子の目前へと持っていくと、女の子の顔が真っ青になった。
ちょっと乱暴だけれど、ここまでは順調だった。
けれど、咲さんは私が思っていたより激情していたのに気付いていた藍さんが、止めに入った。
「咲ちゃんストーップぅ!」
「何でよ藍! あんだけ悪く言われて悔しくないの!?」
爆発寸前で導火線を消されたからか、咲さんは不満そうに藍さんを睨みつける。
でも藍さんに止められてからは、乱暴さが収まったように見える。
「悔しさはあるよ。でもね、咲ちゃん。今、咲ちゃんがやってることは噂の内容と大差ないんだよ?」
「……っ!」
人見知りでかつ、ボーッとしているが多い藍さんらしくない、鋭い指摘に咲さんが反論の言葉を失って黙ってしまう。
そこですかさず私が、ポニーテールの女の子に近寄って交渉をしかけてきた。
「私たちもね、貴女を先生たちに突き出そうとはしたくないの。あのボイスレコーダーだって保険みたいなものだから。だから正直に教えて。貴女に噂を広めてって命令したのは誰?」
少し脅しのような言い方も含まれてるけど、私は躊躇せずに言い切った。
女の子の方も、素直に名前を口にしてくれた。
「……クィン。杏花クィンさん、です」
そしてその名前は、少し前にティルから聞いたものだった。
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