カードという軌跡

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「さぁ行くよっ、まずは《F・G・D》で《フュプノコーン》を攻撃!」 ボクは人差し指で2枚のカードを順々に指して、攻撃の宣言をした。 2体の攻撃力差はナノコのLPを上回っている。 つまりこの攻撃が通れば、ボクの勝ちだ……! 《F・G・D》 ATK:5000 vs 《幻惑獣フュプノコーン》 ATK:1400 けれどボク自身分かっていた。 ナノコがここで終わる子じゃないって事を。 「ダメージ計算時に罠カード《ガード・ブロック》を発動! これで私が受ける戦闘ダメージは0だよ!」 《ガード・ブロック》 通常罠 相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。 その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、 自分のデッキからカードを1枚ドローする。 ナノコが発動したカードの効果により、ゲームを終わらせるハズだった戦闘ダメージはドローに変換されてしまった。 強力な罠カードだけど守れるのはプレイヤーだけ。 つまりナノコの《フュプノコーン》は破壊されたってわけだ。 けれどナノコのライフポイントは1も減っちゃいないし、手札は増えている。 「……さすがだね」 「キミもね。まさか攻撃力5000のモンスターがいきなり来るとは思わなかったよ!」 互いに相手を称賛する。 こんなに気持ちが昂るデュエルは初めてかもしれない。 記憶がないハズなのに、ボクはそう感じた。 「じゃあ次行くよ、これは防げる? 《双頭の雷龍》でダイレクトアタック!!」
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