31人が本棚に入れています
本棚に追加
/258ページ
「さぁ行くよっ、まずは《F・G・D》で《フュプノコーン》を攻撃!」
ボクは人差し指で2枚のカードを順々に指して、攻撃の宣言をした。
2体の攻撃力差はナノコのLPを上回っている。
つまりこの攻撃が通れば、ボクの勝ちだ……!
《F・G・D》
ATK:5000
vs
《幻惑獣フュプノコーン》
ATK:1400
けれどボク自身分かっていた。
ナノコがここで終わる子じゃないって事を。
「ダメージ計算時に罠カード《ガード・ブロック》を発動! これで私が受ける戦闘ダメージは0だよ!」
《ガード・ブロック》
通常罠
相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。
その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、
自分のデッキからカードを1枚ドローする。
ナノコが発動したカードの効果により、ゲームを終わらせるハズだった戦闘ダメージはドローに変換されてしまった。
強力な罠カードだけど守れるのはプレイヤーだけ。
つまりナノコの《フュプノコーン》は破壊されたってわけだ。
けれどナノコのライフポイントは1も減っちゃいないし、手札は増えている。
「……さすがだね」
「キミもね。まさか攻撃力5000のモンスターがいきなり来るとは思わなかったよ!」
互いに相手を称賛する。
こんなに気持ちが昂るデュエルは初めてかもしれない。
記憶がないハズなのに、ボクはそう感じた。
「じゃあ次行くよ、これは防げる? 《双頭の雷龍》でダイレクトアタック!!」
最初のコメントを投稿しよう!