笑顔の裏には

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《砂塵の大竜巻》 通常罠 (1):相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。 その相手のカードを破壊する。 その後、手札から魔法・罠カード1枚をセットできる。 「今このカードを破壊したところで痛くありませんわね。《最終突撃命令》が生きている以上、わたくしの負けはあり得ませんわ」 無論、クィンは一切狼狽えない。 まあそうだよね。それが普通だ。 けど、今ボクがこのカードを発動させたのには、きちんと意味がある。 「ううん。何かを破壊できれば十分なのさ。ボクの狙いはもう一つの効果だ。《砂塵》の効果で、手札を1枚セットする!」 「なるほど。《ガード・ブロック》で引いた罠カードをティルさんのターンで使えるようにする為ですか」 さすがのクィンはボクの狙いに気付き、納得の頷きをしてきた。 けれど余裕の表情は当然崩れない。 「ですが所詮は一時凌ぎ。それをいつまでも続けることは出来ません、次のターンも精々足掻いてくださいな。カードを1枚伏せて、ターンエンドですわ」 ──── ティル→手札:3枚、伏せ:2枚、LP:2900 《閃こう竜スターダスト》 クィン→手札:2枚、伏せ:1枚、LP:5600 《毒蛇神ヴェノミナーガ》、《ダメージ=レプトル》、《最終突撃命令》 ──── クィンがカードを1枚伏せた後に、ターンが自動的にボクに移った。 でもカードをドローする前に思案する。 (今伏せたカードは確かに大逆転が可能なカードだけど、発動条件が満たせていない。それを満たせるようにするカードをここで引かないと……ボクの負け) このデュエルにはデュエル部の存続がかかっている、負けられない勝負。 ……なら、ここで引くしかない!! ボクは強く決意し、カードを引いた。 「ドロー!! …………よし、《貪欲な壺》を発動!」 「ここでドローソースですか。運が良いですわね。でも何を引いたところでわたくしの神は倒せませんことよ!」 ボクは墓地から《サンダー・ドラゴン》3枚と《メタモルポット》、《ヴァンダルギオン》を選択し、デッキに戻した。 そして2枚引く。 そのカード達を確認し、ボクは確信した。 《貪欲な壺》 通常魔法 (1):自分の墓地のモンスター5体を対象として発動できる。 そのモンスター5体をデッキに加えてシャッフルする。 その後、自分はデッキから2枚ドローする。
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