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次の日、学校でのボクらの待遇は一気に改善されていた。
丸一日すら経っていないのに、すごい。
「ティル、菜乃子ちゃんおはよー!」
「よっ、お二人さん」
教室に入るとクラスメイトのみんなが、以前のように挨拶をしてくれる。
話を聞いてみると、杏花家の息がかかっていた人たちが杏花家の名前を使ってボクらの無実を証明したらしい。
杏花家の名前を出すだけで、こんなにも早く直るものなんだね。
「でも、部員後一人っていう実質的な問題は解決してないんだよね」
「そうよ……それを解決しなきゃ意味ないじゃない……」
昼休みに四人で食べている時にナノコが呟くと、サキが頭を抱えた。
まあ結果的に、部員後一人っていう振り出しに戻っただけだからね。
期限は後──約一週間。
「まあ最後まで諦めず行こう。気が変わった人もいるかもしれないしね」
「うんうん、ティルくんの言う通りだよー」
アイが同意してくれて、ボクたちは意気投合した。
でも本当はボクは内心──後一週間で悔いなく学校を去れるようにしよう、なんて考えていた。
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