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「《ノヴァ》の効果にチェーンして、永続罠《竜魂の城》を発動だよ」
「っ!? そのカードは……っ!」
俺は一つ教室に隣接している廊下で、あるデュエルを眺めていた。
片方はサイバーデッキを使う新原教諭。
先程、理事長から渡されたデッキだというのに、元々自分のものだったかのように扱っている。
恐らく相当の手練れだな。
片や、出自不明の飄々とした金髪の男。
先刻まで学園内を騒がせていた渦中の人物だが……随分と古めかしいカードばかり扱う。
「墓地の《レッドデーモンズ》を除外して、フィールド上の《メテオブラック》の攻撃力を700ポイントアップさせるよ」
《メテオブラック・ドラゴン》と《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》の攻撃力が4200で並ぶ。
戦闘と行っていた2体は相打ちとなり、墓地に送られる。
「速攻魔法《サイクロン》を発動するよ。これで《竜魂の城》を破壊するね。──再び舞い戻れ、《レッド・デーモンズ・ドラゴン》!!」
「……やるな、あいつ」
不思議な男だが、俺は金髪の男のプレイングには何か光るものを感じた。
最終的には、このデュエルに負けてしまったがな。
デュエルが終わるのを見届けると俺はその場を去ったが、次の日にこの金髪の男が編入したのを知った時は、退屈な学園に多少の楽しみができたと、一抹の喜びを感じた。
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