カードという軌跡

18/24

31人が本棚に入れています
本棚に追加
/258ページ
「お返し行くよ? 私のターン、ドローっ!」 ターンがナノコに渡り、ナノコは勢い良くカードを引いた。 ナノコはカードを引く前に使う事を決めていたみたいに、既に手札にあったカードを場に出した。 「魔法カード《貪欲な壺》を発動だよ。墓地にいる《素早いモモンガ》3体と《X-セイバー エアベルン》、《虚栄の大猿》をデッキに戻してシャッフル。そして2枚ドローするよ!」 ナノコは墓地から5枚のカードを出しながらその名前を宣言し、デッキの上に置くと、シャッフルした。 そしてカードを2枚ドローしてきた。 これでナノコの手札は実質1枚増えた訳だ。 しかも厄介な《素早いモモンガ》が全て戻ってしまった。 もっかい来たらヤダなぁ……。 《貪欲な壺》 通常魔法 自分の墓地のモンスター5体を選択して発動できる。 選択したモンスター5体をデッキに加えてシャッフルする。 その後、デッキからカードを2枚ドローする。 「……よし、手札の《おとぼけオポッサム》を捨てて《虚栄の大猿》を特殊召喚。今度は効果でレベルを2つ上げるよ」 《虚栄の大猿》 レベル:5→7 ナノコが再び同じチューナーを出してきた。 今度はレベルが上がり、7になった。 けれど他にナノコの場にいるのは《ボルテック・バイコーン》だけだ。 確か、シンクロ召喚はレベルの合計値で決まるらしいから、これはさすがに無理そうだ。 「私の場に獣族モンスターのみが2体存在する場合、墓地から《チェーンドッグ》が蘇生出来るよっ!」 「まだ特殊召喚されるのか……」 ここまで毎ターン、安定して特殊召喚を行えるなんて、デュエルってのは進化してるなぁ……。 ボクはしみじみ思いながら、ナノコのプレイングに釘付けとなっていた。 「更に私は☆7の《ボルテック・バイコーン》と《虚栄の大猿》でオーバーレイ!」 「オーバーレイ!?」 またもや新しい単語がボクの耳に飛び込んできた。 オーバーレイって何っ!? ボクがそう叫んでも、ナノコはお構いなしで続けた。 「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚! 《No.(ナンバーズ)11 ビッグアイ》!!」
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加