その手にカードと花束を

一縷の望みを懸けて

デュエル部の旧部室へと辿り着いた。
約一月前に、ミヨちゃんとデュエルしたんだよね。

あの時は、ボクがデュエル部を再建を任すに相応しい人物が見極める為に。
そして今は、デュエル部が再建のラストチャンスであるジンを入部させる為に。

ボクは再び、ここでデュエルをする。

「準備は良い？」

机を二つ繋げ、デュエル用フィールドが記されたシートを広げる。
その上にシャッフルしたデッキを重ねつつ、ジンに尋ねる。

「こっちは問題ない」

見てみるとジンは既に手札も用意済みだ。
ボクも手札を五枚ドローして準備を終わらせる。

「じゃあ、行くよ」

ジンがコクリと頷いたので、ボクたちは同時に開始の宣言をした。

「「デュエルッ！！」」

ジャンケンを行い、先攻はジンからとなった。
先攻なのでドローはせず、そのまま手札から一枚をテーブルに置いてきた。

「《フォトン・スラッシャー》を特殊召喚だ。さらに《フォトン・クラッシャー》を召喚する」

フォトン・スラッシャー
星４/光属性/戦士族/攻2100/守0
効果・特殊召喚モンスター
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドにモンスターが存在しない場合に特殊召喚できる。
(1)：自分フィールドにこのカード以外のモンスターが存在する場合、
このカードは攻撃できない。

フォトン・クラッシャー
星４/光属性/戦士族/攻2000/守0
効果モンスター
このカードは攻撃した場合、ダメージステップ終了時に守備表示になる。

二体のレベル４モンスターが並んだということは……。
ボクの予想は当然のように当たった。

「レベル４モンスター二体でオーバーレイ。エクシーズ召喚、《輝皇帝ギャラクシオン》」

エクストラデッキから出てきた黒いカードは、横向きで重ねられた。
守備表示なんだ……。

輝光帝ギャラクシオン
ランク４/光属性/戦士族/攻2000/守2100
効果・エクシーズモンスター
「フォトン」と名のついたレベル４モンスター×２
１ターンに１度、このカードのエクシーズ素材を２つまで取り除いて発動できる。
この効果を発動するために取り除いたエクシーズ素材の数によって以下の効果を適用する。
●１つ：手札から「銀河眼の光子竜」１体を特殊召喚する。
●２つ：デッキから「銀河眼の光子竜」１体を特殊召喚する。