カードという軌跡

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これでナノコの場には、重量級のモンスターが3体も並んだ。 《ビッグ・アイ》は効果の反動で攻撃出来ないけど、攻撃力3000以上のモンスター2体も攻撃できるという状況は明らかにボクが不利だった。 「行くよ、《F・G・D》で《双頭の雷龍》に攻撃っ!」 《F・G・D》 ATK:5000 vs 《双頭の雷龍》 ATK:2800 この攻撃を受ければ、ボクのライフは丁度0になってしまう。 まだ負けるわけにはいかない! 「《マジカルシルクハット》を発動! デッキから《粘着テープの家》と《ダブルトラップ》をモンスターゾーンにセットし、同じくセットされた《双頭の雷龍》とシャッフルするよ!」 《マジカルシルクハット》 通常罠 相手のバトルフェイズ時に発動する事ができる。 自分のデッキからモンスター以外のカード2枚を選択する。 その2枚をモンスター扱い(攻/守0)として、自分フィールド上に存在するモンスター1体と合わせてシャッフルし裏側守備表示でセットする。 デッキから選択して特殊召喚した2枚のカードはバトルフェイズ終了時に破壊される。 このカードの効果により、ボクのモンスターゾーンは裏守備モンスターが3体並ぶのみとなった。 《双頭の雷龍》が破壊されるかされないかは運次第だけど、守備になった事でダメージはないし、結果的に《ガオドレイク》の攻撃も防御する事が出来る。 「んー……じゃあ《F・G・D》で右のカードを攻撃!」 ナノコは迷った後にボクから見て左側の裏守備モンスターを選択した。 ボクはゆっくりと頷き、ナノコが選んだカードを捲った。 それは── 「《ダブルトラップ》だね。そのまま墓地に送るよ」 《F・G・D》 ATK:5000 vs 《ダブルトラップ》 DEF:0 ハズレだ。 これで残りは1/2。 《双頭の雷龍》は生き残れるかな……? 「むぅ~……なら今度は《ナチュル・ガオドレイク》でもっかい右側を攻撃っ!」 「左側のカードは…………うぐっ、《双頭の雷龍》だね……」 《ナチュル・ガオドレイク》 ATK:3000 vs 《双頭の雷龍》 DEF:2600 次は当てられてしまい、ボクは泣く泣く《双頭の雷龍》を墓地へと送った。
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