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「菜乃子?」
真っ先に反応の声を上げたのはサキだ。
ナノコはボクたちを一瞥しながら、自分の意思を語り始める。
「ティル、咲さん、辰神先輩。みんな強くて……いつもそのデュエルに見入ってた」
そしてレナを見据えて、ナノコはハッキリと告げた。
「確かめたいんです。今の私は、どれだけ追いつけているのか」
「うーんっ、良い目してるね!」
見つけられたレナは強気な表情で迎えつつ、応じるようにデッキを取り出した。
「よし、デュエルだ菜乃子ちゃん!」
「はい! 宜しくお願いします!」
こうして、謎の美人さんのレナとナノコのデュエルが始まったんだ。
………………。
ボクとジンのデュエルの時と同じように、二つの机を向い合せるようにくっ付けて、それぞれの椅子に座る二人。
そして先攻はナノコからだ。
「行きます。私のターン、まずは《おとぼけオポッサム》を捨てて、《虚栄の大猿》を特殊召喚」
手札からいきなり特殊召喚を行う菜乃子。
しかし先攻にドローはないので、手札はもう三枚しかない。
《虚栄の大猿》
星5/地属性/獣族/攻1200/守1200
効果モンスター(チューナー)
このカードは通常召喚できない。
手札から獣族モンスター1体を墓地へ送った場合に特殊召喚する事ができる。
この方法で特殊召喚に成功した時、墓地へ送ったその獣族モンスターのレベルを確認し、次の効果から1つを選択して発動する事ができる。
●そのレベルの数だけこのカードのレベルを上げる。
●そのレベルの数だけこのカードのレベルを下げる。
「レベル変化効果は上昇の方を選びます。これで《大猿》はレベル7です」
「上げてきたかー。こりゃ大型が来るね」
チューナーのレベルが上がれば、必然的にシンクロ召喚するモンスターのレベルが更に高いものとなる。
レナはそれを理解し、表情は笑いつつも警戒心を高めているようにボクは感じた。
《虚栄の大猿》
LEVEL:5→7
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