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「私のターン、ドローです」
カードを引いたナノコは、手札とフィールドを眺めながら悩み始めてしまう。
けれどそれも仕方ないよね。
影武者狸トークンは攻撃力こそ《シューティングスター》と並んでいるけど、今回は《閃こう竜》がいる。
相討ちしにいって、わざと除外させて一時的にどかすといった戦術が取れづらくなったんだ。
「……よし、まず私は《古狸三太夫》の効果で、二体目の影武者狸トークンを特殊召喚します」
ナノコは再びデッキケースからトークンカードを取り出すと、それをフィールドへ置いた。
けどそれでようやく《シューティングスター》をどかせられる程度だ。
ここからどうする……?
「《貪欲な壺》を発動します。墓地の《オポッサム》、《マイン》、《虚栄》、《牙王》、《ヴァレリフォーン》をデッキに戻して二枚引きます」
「ここで起死回生のドローカードだね。さて、引けるかな?」
ナノコの使うカードを見たレナは期待を眼差しを彼女に向ける。
ボクはナノコの為に、手を組んで祈りを捧げる。
頼む……!
《貪欲な壺》
通常魔法
(1):自分の墓地のモンスター5体を対象として発動できる。
そのモンスター5体をデッキに加えてシャッフルする。
その後、自分はデッキから2枚ドローする。
カードを増やしたナノコは、ようやく笑ってくれた。
「チューナーモンスター、《極星獣グルファクシ》を召喚します! そして、☆1の影武者狸トークンに☆4の《グルファクシ》をチューニング! 『天駆ける雷よ。猛き烈風と交わりて、幻想の世界より姿を現せ』!」
《極星獣グルファクシ》
星4/光属性/獣族/攻1600/守1000
効果モンスター(チューナー)
相手フィールド上にシンクロモンスターが表側表示で存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。
ナノコが口上を述べ、シンクロモンスターを呼び出す。
ボクも知っているカードなので、テンションが上がってくる。
「シンクロ召喚、いななけ! 《サンダー・ユニコーン》!」
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