その手にカードと花束を

新生デュエル部設立！

真っ先に反応したのは、ずっとモヤモヤしている様子のサキだった。

「あー！！　そうだ思い出したわ！　佐谷浜麗奈、当時は浸透してなかったシンクロ召喚を使って日本大会を優勝したから、すごく話題になったのよね！」

日本大会を優勝して、世界大会に出たことがあるデュエリストか。
ホントにすごい人だったんだね、レナは。
そんな人物と知り合いのミヨちゃんもすごいけど。

「もう大体十年前なのに、よく覚えてるね咲ちゃん。ま、世界大会出場っていっても、そっちの結果は大したことなかったんだけどねー」

アハハと笑いながらそう語ったレナは、少し昔を思い出しているのは遠い目をしていた。
けどすぐに意識をデュエルへと戻した。

「──っと、続きはデュエルが終わってからにしよっか。じゃ、私のターンだぞ！」

ウインクをして、デッキのカードに手を添える。
多分、これがラストターン……なんだろうな。

「ドロー！　魔法カード《調律》を発動して、デッキから《クイック》をサーチ。そして《ジャンク》を捨てて特殊召喚！」

カードを引いたレナは、魔法カードを発動。
そしてそのままデッキから加えたカードを場に呼び出してきた。

《調律》
通常魔法
(1)：デッキから「シンクロン」チューナー１体を手札に加えてデッキをシャッフルする。
その後、自分のデッキの一番上のカードを墓地へ送る。

「そして墓地の《スティーラー》の効果で、《シューティング》のレベルを下げて特殊召喚するよ」

実質ノーコストでレベル１モンスターを蘇生するレナ。
つまりこれは、レベル６のシンクロ召喚かあ……。

《レベル・スティーラー》
星１/闇属性/昆虫族/攻 600/守 0
効果モンスター
(1)：このカードはモンスターゾーンに存在する限り、アドバンス召喚以外のためにはリリースできない。
(2)：このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドのレベル５以上のモンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターのレベルを１つ下げ、このカードを墓地から特殊召喚する。