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「ありがとうございました」
対戦が終わるとナノコは落ち込むでもなく、すぐにレナのお礼の言葉を告げた。
その表情は自分の力は出し切ったと言わんばかりだ。
「うん、こちらこそありがとね。久しぶりに燃えられたよー」
フィールドに並べていたカードらをデッキに重ね、トントンと机に叩いて位置を揃えながら返事をするレナ。
そしてデッキをケースにしまうと、ウインクして勢いよくナノコに向けてサムズアップした。
「合格だよ、菜乃子ちゃん! キミは強くなれる!」
「えっと、そうですか?」
一体どの点が評価されたのか分からないナノコは首を傾げる。
そんな彼女にレナが指を差しながら説明を始める。
「最後のそっちのターン、菜乃子ちゃんは攻撃力3900のトークン二体を立てて終了するっていう手もあった。そうすれば私を倒せないまでも、次の私のターンを乗り切れる守りの態勢を取れた」
レナが出した《ジャンク・ガードナー》は一体しか守備表示に出来ないから、《シューティング》ではトドメを刺しには行けない。
逆にナノコもレナにダメージを与えられなくなるので、それが守りの態勢って意味なんだろうね。
「でも菜乃子ちゃんはトークンよりも攻撃力の低いシンクロモンスターを活用して一気に倒しに来た。その攻めの姿勢は、実力の向上にはとっても大切だからね!」
その言葉を聞いたナノコは再び「ありがとうございます」と深く頭を下げた。
レナはニコリと笑ってから、視線をボクやサキたちの方に向けてきた。
「これで私の実力、分かってくれたかな? デュエマ甲子園まで、コーチとしてビシバシ指導してくよー!」
「うん、勿論。宜しく、レナ」
ボクが真っ先に手を差し出すと、レナは「はーい」と元気に答えながら手を握ってくれた。
そんな時、再び部室のドアが開いてきた。
「ごめんなさい、遅れました。でも、早速仲良くしてくれてるみたいで良かったです」
黒い女性用スーツを着ているデュエル部の顧問で、ボクらを呼び出してレナと引き合わせたミヨちゃんだった。
やっぱり真っ先にあのおっきすぎるおっぱいに目が行っちゃうね。仕方ないよね。![image=501367116.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/501367116.jpg?width=800&format=jpg)
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