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「あー未夜ちゃん、おっそいよー! 私は時間通りに着たのにさあ」
「ごめんなさい。思ったより、色々と時間が掛かってしまったもので」
ぶーたれるレナに、ミヨちゃんが軽く頭を下げて謝る。
その後にボクたちに顔を向けて、ニコりと微笑んだ。
「もう自己紹介を済ませちゃってると思いますけど、私から改めて紹介させて頂きますね」
歩いて座っているレナの隣まで移動すると、立ったまま彼女を手で示した。
「佐谷浜麗奈さん。世界大会にも出たことがある凄腕のデュエリストで、私の学生時代の先輩です」
「よっく言うよねー未夜ちゃん。通算戦績、私に勝ち越してるクセにさー」
紹介されたレナはミヨちゃんの腰を指で突っつきながら、何だかスゴいことを口にした。
……日本大会優勝者のレナよりも強いの!?
「そんなことありませんよ。教師が忙しくて今はもうあまりデュエル出来てませんから鈍ってるでしょうし、それに大勢の前じゃ緊張しちゃいますから」
ミヨちゃんは笑顔のまま謙遜した。
けどこの台詞じゃ、学生時代はレナより強かったって部分を否定してないね。
「用件が終わりなら、俺はもう帰るが」
レナの紹介とデュエルが終わった以上、長居する理由はないと考えたのか、ジンは肩に掛けているバッグを持ち直すとドアへと向かった。
レナが「いいの?」とミヨちゃんに目配せしたが、ミヨちゃんは「構いませんよ」という意味の頷きをした。
パタンとジンが出て行ったドアが閉まった後、レナがパチンと手を叩いた。
「さて、無事にコーチに就任したし、菜乃子ちゃん以外のデッキも見せてもらおうかな!」
その言葉を皮切りに、今度はボクたちによる賑やかな対戦が行われたのだった。
今後も楽しくなりそうで、良かった。
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