31人が本棚に入れています
本棚に追加
「ティル様、お答えを聞かせてくださいな。首を縦に振って頂ければ、ティル様の将来の安泰は約束されますわ」
そう迫るクィンは距離も縮めてきて、ボクの右腕に絡みついてくる。
彼女の豊満なモノの谷間に腕が沈み、魅惑の柔感に脳が満たされていく。
「ちょっ、ちょっと離れなさいよ!」
「近すぎです、クィンさん!」
サキとナノコが机に両手を置いて勢いよく立ち上がり、制止の声を上げる。
クィンは「残念」と小さく呟き、ボクからスッと離れた。
例の感触も無くなってしまったので、少し残念と思いつつも口を開いてみる。
「あはは……それに関しては、デュエル甲子園が終わってからでもいいかな?」
苦し紛れの先延ばしの提案だけど、クィンは簡単に受け入れてくれた。
「ええ、分かりましたわ。お父様がわたくしに強要しなかったように、わたくしもティル様に強要致しません。どうぞごゆっくり考えて下さいな」
「うん、ありがとう」
クィンが引いてくれたのを見て、明らかにホッと胸を撫で下ろすナノコとサキ。
そんな二人を微笑ましく思いながら、ボクは改めてクィンに告げた。
「一緒にデュエル甲子園を目指して頑張ろう」
「はい、ティル様!」
この後、クィンを出場メンバーとして加える為に、参加締切の十九時に間に合うように急いで申し込みに奔走したのは別のお話しだ。
最初のコメントを投稿しよう!