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「まずはデュエル部を再建し、デュエル甲子園へ足を進めてくれたことを感謝しよう」
クィンが仲間入りし、デュエル甲子園の申し込みを終えてから一夜。
例の如く昼休みにボクは理事長に呼び出されて、彼の部屋へと訪れた。
「そして謝罪もしよう。私は君たちを騙していたことにもなるのだからな」
「それはボクよりも、彼女たちに言った方が良いんじゃないかな」
理事長の言葉にボクはすぐに返事をする。
確かにボクも騙された一人だけど、直接的な被害を喰らったのはナノコたちなのだから。
「勿論だ。沖川くんや坂江くんたちが怪我をしないように、杏花くんがさせてしまわないように、監視を付けて細心の注意は払ってはいたのだがね。後日、何かの形を持って謝罪の想いを伝えるつもりだ」
「あ、そうだったんだ」
流石に嘘をついて後は眺めるだけなんていう無責任な行動はしていなかったことにボクは安堵した。
まあ流石に何かしらを用意してるんじゃないかって思ってたしね。
「兎も角、だ。これで君の学園残留は確定した。ここまでよく頑張ってくれたね」
話を切り替え、ボクを労ってくれる理事長。
確かにこれまでの道のりは大変だった。
デュエルを封印していたサキの心を解してあげて、アイと共に頑張ろうという新しい道を拓かせた。
ジンは独りが好きみたいで、サキが挑むも負けちゃったんだよね。それで一度は勧誘を諦めざるを得なかった。
その後、クィンがお父さんの命令でボクらの妨害をしてきた。運良くボクが勝利し、彼女の心の鎖も解き放ってあげることができた。
そしたらジンがボクの腕を認めてくれて、再挑戦のチャンスをくれた。実力で勝ったとは言い難いけれど、ジンが条件付きで仲間入りしてくれたんだ。
最期はミヨちゃんがコーチとしてレナを連れてきてくれて、ナノコも奮闘したけれどやっぱり実力の差がすごかったね。後、クィンが告白してくれつつも共に戦うって言ってくれたんだよね。
ナノコの家に来た以前の過去がないボクにとっては、目を瞑ればすぐにでも思い出せる記憶だ。
大変ではあったけれど、今となっては楽しかったと思える。
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