本命を迎える前の

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「藍、あんたデッキ決まったの?」 「うん。このデッキが良いって思うもの見つけたよ」 サキの言葉に頷いて返事をするアイ。 そっか、決まったんだね。 「それでネットで調べながらデッキレシピも何とか考えて、組んでみたんだ。……ただ、実際のカードはまだ買えてないから印刷で作ったデッキなんだけど、良いかなティルくん?」 鞄からデッキを取り出すアイ。 確かに、一番上の表になっているカードは本来の色より少し薄めで、印刷して作られたカードだと分かる。 「うん、勿論いいよ。アイがどんなデッキを使うのか知りたいしね」 ボクはそれを快諾し、ナノコと席を替わってアイの正面に座る。 そしてボクとアイはデッキをシャッフルし、デュエルの準備を始めた。 「じゃあ行くよティルくん!」 「うん!」 手札を構えたボクらは同時にデュエル開始の宣言をした。 「「デュエル!」」 アイは既にルールのほとんどを理解していて、初めての実戦的なデュエルなので今回はジャンケンをせずに彼女の先攻から始めた。 「まず私は《デビルズ・サンクチュアリ》を発動するね。これでメタルデビルトークンを特殊召喚だよ」 アイは魔法カードを使うことでモンスタートークンを呼び出してきた。 《デビルズ・サンクチュアリ》 通常魔法 (1):自分フィールドに「メタルデビル・トークン」(悪魔族・闇・星1・攻/守0)1体を特殊召喚する。 このトークンは攻撃できず、このトークンの戦闘で発生するコントローラーへの戦闘ダメージは代わりに相手が受ける。 このトークンのコントローラーは自分スタンバイフェイズ毎に1000LPを払う。 または、LPを払わずにこのトークンを破壊する。 「早速トークンってことは……」 あのトークンは攻撃阻止効果があるけど、それを使うプレイヤーはほとんどいない。 もっぱら素材として使われる。 そしてやはり、アイもそのトークンを素材として使用してきた。 「私はメタルデビルトークンをリリースして…… ──《マドルチェ・プディンセス》をアドバンス召喚だよ!」
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