その手にカードと花束を

本命を迎える前の

《マドルチェ・プディンセス》
星５/地属性/天使族/攻1000/守1000
効果モンスター
(1)：自分の墓地にモンスターが存在しない場合、このカードの攻撃力・守備力は８００アップする。
(2)：このカードが相手モンスターと戦闘を行ったダメージ計算後に、相手フィールドのカード１枚を対象として発動できる。その相手のカードを破壊する。
(3)：このカードが相手によって破壊され墓地へ送られた場合に発動する。このカードをデッキに戻す。

アイの召喚したモンスターを見て、サキは真っ先に声を上げた。

「マドルチェ！　藍、あんたマドルチェデッキを選んだのね」

「マドルチェ、可愛いですよね」

「うん♪」

そしてナノコも同調し、肯定的な声を貰えたアイが笑顔で頷いた。
ボクはあまり詳しくはないテーマだけど、どんなデッキなのかな。

「《プディンセス》は墓地にモンスターがいないことで攻撃力を８００アップするよ。カードを二枚セットしてターンエンド」

《マドルチェ・プディンセス》
ATK：1000→1800

手札一枚以外を使い切ってターンを終わらせたアイ。

けれど一体リリースして出したモンスターが攻撃力１８００だけなんて、お世辞にも高いとは言えないね。
となると、リバースカードに何かあると考えられるけど……。

「ボクのターンだ、ドロー。まずは手札の《サンダー・ドラゴン》の効果を発動するよ。このカードを捨てて、デッキから同名カードを二枚手札に加える」

《サンダー・ドラゴン》
星５/光属性/雷族/攻1600/守1500
効果モンスター
(1)：このカードを手札から捨てて発動できる。デッキから「サンダー・ドラゴン」を２体まで手札に加える。

まずはお決まりの効果で手札を増やす。
そして次もお決まりのカードでボクはエースを呼び出した。

「《融合》発動！　二体の《サンダー・ドラゴン》を融合して、《双頭の雷龍》を融合召喚するよ」

「ティル様の不変のエースですわねっ」

クィンが猫なで声を出してきた。
ボクと直接デュエルした時は「攻撃力だけのモンスター」って言ってきたけど、
やっぱりあれは演技だったんだねえ。

まあボクにしてみれば、どっちのクィンも素敵だけどね。