31人が本棚に入れています
本棚に追加
アイのモンスターの攻撃力が、フィールド魔法によって軒並み上がっていったけれど、まだ《プレアデス》には届かない。
となると、残すはアレしかないよね。
「行っくよーティルくん! レベル4の《プティンセスール》と《メッセンジェラート》で、オーバーレイ!」
(うん! やっぱりエクストラデッキからの特殊召喚だ!)
ボクは自身の予想が当たっていたことに、心の中でガッツポーズを決める。
もちろん、上級モンスターのアドバンス召喚の可能性はあったけれど、今の時代のデュエルの主体はこっちだからね。
「二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚! 来てっ、《クイーンマドルチェ・ティアラミス》!!」
《クイーンマドルチェ・ティアラミス》
ランク4/地属性/天使族/攻2200/守2100
エクシーズモンスター・効果
レベル4「マドルチェ」モンスター×2
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、自分の墓地の「マドルチェ」カードを2枚まで対象として発動できる。そのカードをデッキに戻し、戻した数まで相手フィールドのカードを選んで持ち主のデッキに戻す。
《クイーンマドルチェ・ティアラミス》
ATK:2200→2700
アイのモンスターゾーンに置かれたのは、玉座に座った可愛い女王様のイラストのエクシーズモンスター。
《シャトー》の効果もあり、その攻撃力は《プレアデス》を上回った。
(墓地のマドルチェを戻して、相手のカードをデッキバウンスさせる効果か……。でも、今アイの墓地にマドルチェはいないから、すぐさま《プレアデス》の効果を使う必要はないね)
《ティアラミス》の効果を確認したボクは、動かそうとしていた右手の力を抜いた。
まだ召喚権がアイに残っている以上、迂闊な先手は墓穴を掘るハメに遭う。
ここは冷静に。マドルチェが墓地に落ちたタイミングか、《ティアラミス》が攻撃してきた時に使えばいいんだ。
「よぉし、《ティアラミス》ちゃん! ティルくんの《プレアデス》を攻撃だー!」
そしてアイはそのまま戦闘破壊を狙ってきてくれた。
ここだ!
「《プレアデス》の効果を発動だよ。オーバーレイユニットを消費して、《ティアラミス》を手札に戻してもらうね」
エクストラデッキから特殊召喚されたモンスターが手札に戻される場合、エクストラデッキへと帰還する。
つまりデッキにも手札にも飛んでいないので、《チケット》の効果は発動しないんだ。
よし、これでアイの場には攻撃力が足りない《ホーットケーキ》だけ──
「甘いよティルくん♪ カウンタートラップ、《魔導人形の夜》を発動!」
最初のコメントを投稿しよう!