本命を迎える前の

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アイのモンスターの攻撃力が、フィールド魔法によって軒並み上がっていったけれど、まだ《プレアデス》には届かない。 となると、残すはアレしかないよね。 「行っくよーティルくん! レベル4の《プティンセスール》と《メッセンジェラート》で、オーバーレイ!」 (うん! やっぱりエクストラデッキからの特殊召喚だ!) ボクは自身の予想が当たっていたことに、心の中でガッツポーズを決める。 もちろん、上級モンスターのアドバンス召喚の可能性はあったけれど、今の時代のデュエルの主体はこっちだからね。 「二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚! 来てっ、《クイーンマドルチェ・ティアラミス》!!」 《クイーンマドルチェ・ティアラミス》 ランク4/地属性/天使族/攻2200/守2100 エクシーズモンスター・効果 レベル4「マドルチェ」モンスター×2 (1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、自分の墓地の「マドルチェ」カードを2枚まで対象として発動できる。そのカードをデッキに戻し、戻した数まで相手フィールドのカードを選んで持ち主のデッキに戻す。 《クイーンマドルチェ・ティアラミス》 ATK:2200→2700 アイのモンスターゾーンに置かれたのは、玉座に座った可愛い女王様のイラストのエクシーズモンスター。 《シャトー》の効果もあり、その攻撃力は《プレアデス》を上回った。 (墓地のマドルチェを戻して、相手のカードをデッキバウンスさせる効果か……。でも、今アイの墓地にマドルチェはいないから、すぐさま《プレアデス》の効果を使う必要はないね) 《ティアラミス》の効果を確認したボクは、動かそうとしていた右手の力を抜いた。 まだ召喚権がアイに残っている以上、迂闊な先手は墓穴を掘るハメに遭う。 ここは冷静に。マドルチェが墓地に落ちたタイミングか、《ティアラミス》が攻撃してきた時に使えばいいんだ。 「よぉし、《ティアラミス》ちゃん! ティルくんの《プレアデス》を攻撃だー!」 そしてアイはそのまま戦闘破壊を狙ってきてくれた。 ここだ! 「《プレアデス》の効果を発動だよ。オーバーレイユニットを消費して、《ティアラミス》を手札に戻してもらうね」 エクストラデッキから特殊召喚されたモンスターが手札に戻される場合、エクストラデッキへと帰還する。 つまりデッキにも手札にも飛んでいないので、《チケット》の効果は発動しないんだ。 よし、これでアイの場には攻撃力が足りない《ホーットケーキ》だけ── 「甘いよティルくん♪ カウンタートラップ、《魔導人形の夜(マドルチェ・ナイツ)》を発動!」
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