本命を迎える前の

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《聖刻神龍-エネアード》 エクシーズ・効果モンスター ランク8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2400 レベル8モンスター×2 (1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。 自分の手札・フィールドのモンスターを任意の数だけリリースし、 その数だけフィールドのカードを選んで破壊する。 別にボクのデッキでエクシーズ召喚すること自体はないわけじゃない。 最初に《プレアデス》を使ったしね。 けれど《双頭の雷竜》や《スターダスト》モンスターみたいに、案外レベル8モンスターを出すことが多いことに気付いたボクは、保険のような感覚でランク8のエクシーズモンスターをちょっとだけ差し込んでおいたんだ。 ……勿論、ジンみたいにランク8に特化しているわけじゃないから、こんな風に沢山手札を使わないと難しいけどね。 「《エネアード》の効果を発動するよ。手札の《ヴァンダルギオン》をリリースすることで、《ティアラミス》を破壊だよ」 「うん。……やっぱティルくんは強いね!」 ボクの効果発動宣言を聞いたアイは、《ティアラミス》を墓地に送りながら、笑顔で褒めてくれた。 けれどボクはこのデュエルで最後のギリギリまでアイの戦略に驚かされっぱなしだった。 きっとこれは紙一重の勝利だったんだ。 「アイもスゴかったよ。こんな頼もしいルーキーは仲間で、とても心強いよ」 ボクは最後にそう言ってから、 「《エネアード》でダイレクトアタック」 このデュエルを締めたのだった。 アイLP:700→0 「ちょっとーティルー! せっかく藍のファーストデュエルだったんだから、空気読みなさいよねー!」 デュエルが終わると早速サキがボクに肩を組みながら悪態をついてきた。 声色からして本気で言っているわけじゃないのはよく分かる。 「その必要はないよ。きっとすぐにこのデュエル部のエースになれちゃいそうだったし。ね、クィン」 「ええ、そうですわね。追いつかれるつもりはありませんが、デュエルの先輩として、油断は禁物ですわ」 「えへへ……みんな褒めすぎだよお。ありがとー♪」 クィンの評価と、これまでのデュエル中の声で沢山褒められていたアイは少し恥ずかしそうにしつつ、笑顔でお礼の言葉を口にした。 これにて遂に本当の意味でボクたちデュエル部のメンバーが揃ったってことかな。 デュエル甲子園……楽しみだね……!
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