楽園の条件

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「お?」 出かける為に玄関に来たボクは、そこで何かが落ちているのを発見した。 拾ってみると、それは手のひらサイズの冊子の様な物だった。 「えっと……『セイトテチョウ』?」 冊子の表示には、よく分からない紋章と一緒に「花嶋学園生徒手帳」が書かれていた。 しかも裏にはナノコの写真とここの住所などが載せられていた。 「……よくは分からないけど、これはナノコので大事な物だってのは理解できた」 少し見ただけでも学校ってものに関係する物なんだと理解する事が出来た。 きっと玄関に落ちているのは、学校に向かおうとした際に落としてしまったのだろうね。 「帰ってきたら、渡しておかないとね」 ボクはそう思いながら、それを無意識で上着のポケットに突っ込んだ。 そしてそのまま靴を履き、玄関のドアを開け放った。 「んんー! 良い天気だねぇ」 玄関から外に出たボクは開口一番に、そう口にした。 「とりあえずは適当に歩き回ろうかな」 道路に人が少ないのを確認しながら、ボクは行動を決めて歩き出した。
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