楽園の条件

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以前、ホナミと一緒に買い物に来たお店がいっぱい並んでいる通りにやって来た。(確か、商店街だったかな?) 「来たのは良いけど、お金無いからなぁ……」 通りの中には飲食店も結構な数があり、そこから漂う美味しそうな匂いが何とも食欲をそそってきた。 ぐぅ~。 そしてお腹が鳴ってしまった。 まだお昼には少し早いけど、それでもお腹が空いてしまった。 「う~ん……一旦帰ってご飯食べるしかないかなぁ……」 お腹をさすりながら、そんな事を呟いていると── 『──っと──きな──!』 『ま──かよ』 ふと耳に穏やかではなさそうな声が聞こえた。 何を言ってるかは遠過ぎてわからなかったけど、無視する事は出来なさそうな雰囲気が感じ取れた。 「……行ってみよう」 厄介な事には首は突っ込む事じゃないと思いつつも、ボクの足は声の方向へと進んでいた。 次の十字路を曲がった先で、会話の主たちを発見する事が出来た。 「だーかーらぁ! アタシは今から学校に行くんだって言ってるでしょっ!」 「どうせサボってたんだろ? だったら今日はもう全部サボって俺らと遊ぼうぜぇ」 ナノコと同じ服装をした女の子と、あまり素行は良くなさそうな数名の男たちが何やら言い争いをしていた。 「ハァ……だからサボってなんか無いんだってば……」 赤みがかかった茶色いロングヘアーの女の子は、面倒臭そうに溜め息を吐きながら呟いていた。 ……困ってる、よね。 「困ってる女の子は助けなさいって、ボクの本能が叫んでいる……気がする」 だからボクは恐れを無視して思い切って、彼らの所へと駆け込んだ。 「おーい!」 女の子に向かって手を振りながら駆け寄ってみる。 知り合いのフリをしてこの場から逃げ去る作戦だ。
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