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「ふーん……記憶喪失、なんだ」
「うん、そんな訳で今はオキカワの家にお世話になってるんだ」
とりあえず食事をしながらサキに事情の説明をした。
簡潔に言えば、記憶喪失で名前以外思い出せていないコトとナノコの家でお世話になってる旨を教えた。
「デュエルで名前思い出せるなんて、相当デュエル脳ねティルは」
「アハハッ、そうかな?」
デュエルの話をされた事もあり、ボクはデッキを取り出してみることした。
「サキもデュエル、するの?」
デュエルの話に案外ノってきたコトもあり、ボクはそれを聞いてみることにした。
しかし彼女は突然表情を曇らせた。
「……知識はあるわ」
「?」
サキの言葉の意味を理解できなくて、ボクは首を傾げた。
すると彼女は説明をしてくれた。
「……もう辞めたのよ。デュエルは」
「辞めた……んだ」
ボクは「どうして」と口に出そうとして、ギリギリでそれを止めた。
せっかく可愛い女の子と仲良くなれたのに、
あまり好んで話したくなさそうな事を聞き出して雰囲気を悪くしたくない、と思ったからだ。
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