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次に目覚めた時、ボクは別の女性に介抱されていた。
その女性にリビングに連れていかれ、そこには先程のシャワーを浴びていた子もパジャマ姿で座っていた。
ボクは2人の対面する席に座った。
「いやーゴメンね! ウチの妹が酷いことしちゃってさー」
そう言って片手を立てて謝罪の言葉をかけてきたのは、今さっき介抱してくれていた女性。
綺麗な黒髪をポニーテールで纏めた、整った顔立ちの大人な女性。
「ちょ、ちょっとお姉ちゃん! それじゃ私が悪いみたいじゃん!」
そう言って声を荒げたのは、まだ湯気が出たままで火照ったままの、あの彼女だ。
お姉さんと同じく綺麗な黒髪をしていて、今は水分を含み、それを真っ直ぐ降ろしている。
その子はボクを思いっきり睨んだ。
「じゃあ、菜乃子。人に向かって、気絶させかねない勢いでシャンプーの容器を投げたことに、完全に非がないって言い切れるの?」
「うっ……」
ナノコ、と呼ばれた女の子はお姉さんの言葉に口を詰まらせた。
お姉さんはそんなナノコの頭を無理矢理下ろさせた。
「これで許してね?」
「あ、いや……そもそもボクは怒ってないし……」
あの美しい身体を見物出来たし、ボクにとっては十分すぎるプラスだ。
「う~……!!」
どうやらボクが何を考えていたのか、ナノコにはわかっていた様で恨めしそうにボクを睨んでいた。
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