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「よーしっ、んじゃ私が相手を───」
そう意気込みかけたホナミだったが……
そのタイミングで、ホナミの方から軽快な電子音が聞こえてきた。
ホナミは慌ててポケットから四角くて小さな薄い箱のようなモノを取り出して、それに向けて会話を始めてしまった。
「あー……えっと、はい、はい。今から……ですか? はい……わかりました」
ボクはナノコに小声で話し掛けた。
「ねぇ、あれって……もしかして、電話なの?」
初めはボクを睨んでいたナノコだったが、直後に驚いたような表情になった。
「はぁ? 携帯電話を知らないの!?」
どうやら、あれは携帯電話というらしい。
電話っていう単語が付いてるし、やはりアレは電話なんだろう。
無線で、携帯ができる電話なんて初めて見たよ。
スゴいなぁ~。
ボクがそう思っている内に、ホナミが通話を終わらせた。
「ゴメン! 仕事が入っちゃったせいでデュエルができなくなっちゃった!」
両手を合わせて謝ってきたホナミ。
仕事なら仕方ない、とボクは思って、デッキケースを仕舞おうとしたら……
「私の代わりに菜乃子がやってくれるからさっ♪」
ホナミはそう言って、自分の胸ポケットからデッキケースを取り出し、ナノコに向けて投げた。
ナノコは驚きつつも、条件反射で受け取った。
「ちょっ、ちょっと待ってお姉ちゃん! 私、デュエルした事ないのに!!」
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