カードという軌跡

9/24

31人が本棚に入れています
本棚に追加
/258ページ
先攻はナノコだ。 ボクはデュエルを覚えているとは言え、ルールも覚えているとは限らない。 だから、ナノコからやろうという事になった。 「私のターン、ドロー」 ナノコはカードを引くと、手札の内の1枚を裏側にしてテーブルにセットした。 「モンスターを裏側守備表示でセット。これで終わり」 特に魔法・罠を使ったり伏せる気はないらしく、ナノコはそれだけで終わらせてしまった。 よしっ、なら一気に攻めるぞ! ボクは意気込んで、カードをドローした。 「ボクのターン! よぉし……」 ボクは手札のモンスターカードを掴み、それを思いっきりテーブルに置いた。 「《猛進する剣角獣》を召喚っ!」 「はいっ!?」 《猛進する剣角獣》 星4/地属性/恐竜族/攻1400/守1200 効果モンスター このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。 ナノコはボクの召喚したモンスターを見て、スゴく驚いていた。 まぁ、貫通効果持ちのモンスターが出てきたら驚いちゃうよね。 「《剣角獣》でセットモンスターに攻撃するよ!」 ボクがそう宣言すると、ナノコは裏側だったモンスターを表向きにした。 「《素早いモモンガ》、貫通ダメージで1300受けるけど、このカードの効果で1000ポイントを回復する」 菜乃子LP:4000→2700→3700 ナノコのライフが思ったより削れない。 《素早いモモンガ》とは厄介だなぁ。 「更に、デッキから同名モンスターを好きな数セットできる。私は2体の《素早いモモンガ》をセット」 ナノコのモンスターゾーンに2体のモンスターが並ぶ。 「うーん……1枚カードをセットして、ターン終了だよ」 ボクは多少警戒しておいて、手札のカードを魔法・罠ゾーンにセットさせた。 それを見ていたナノコは、恐る恐ると言った感じでボクに聞いてきた。 「ルールは覚えてるみたいだけど……君の使ってるカードって、相当古くない……?」 「?」 ナノコはどうやら、《猛進する剣角獣》の事を言ってるみたいだ。 けど、そんなことはないと思うんだけど。 ───── 菜乃子→手札:5、LP:3700 セットモンスター×2 青年→手札:4、伏せ:1、LP:4000 《猛進する剣角獣》 ─────
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加