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「何回みても泣いちゃうよー…うぅ…私だったら、山崎さんを死なせたりしないのに……私だったら絶対、守ってみせるのに…。」
彼を守りたい。幸せにしてあげたい。何度そう思ったことか。何度時空を超えて彼の元に行きたいと願ったことか。
だが、そんなこと出来るわけもなく、悔しくて、苦しくて、悲しくて、そんな自分が腹立たしくて…
ただ、彼を守りたい。好きな人を守りたいということがこんなにも辛くて…
そう思い続けてもう五年がたってしまった。
私は中学生の頃に新選組を好きになり始めた。
きっかけは歴史の授業。
先生が新選組のことを大好きで、普通の授業なら少ししか新選組は出ないのに、先生が大好きだったため、授業の半分以上が新選組の話になった。
その内容は中学生の私たちには難しくて、寝てしまう子や他のこと話し出してしまう子がいたけど……私は聞きほれてしまった。
私は一瞬で呑み込まれてしまった。
農民の出の人が武士に憧れ、武士になりたく、夢を追い掛け続けたその姿があまりにも私の心には響きすぎた。
それから私は図書館や本屋にかよいつめて新選組の本を手当たり次第読みあさった。
今では、自分の本棚は新選組でいっぱいだ
そして好きになった。彼を。山崎烝を。
私は憧れた。理由はわからない。いつのまにか、本当にいつのまにか、この人を好きになっていた。そしてそれと同時にこの人を幸せにしたいと、守りたいと思った。
この想いはあまりにも強くて、山崎さんを好きになった日。中1の冬からは好きな人がいない。恋愛ができないんだ。
自分で言うのはアレだが…
世間一般から見れば私の顔立ちは整っているらしく、成績は常に学年トップ。スポーツも得意で部活の剣道でもこの間優勝したばかりだ
四字熟語でいうならアレだ。才色兼備。
その四字熟語に憧れ頑張ったから今の私がいるんだけどね…
だから告白というものはされることが多い。一応前は彼氏がいた。だが、山崎さんを好きになってから別れた。
山崎さんを恋愛感情として好きと考えたことはないがどうも恋愛する気にはなれないらしい
告白はその後もされた。でも好きな人がいるからと断り続けた。
現実での恋愛はそれきりだ。
まぁ、要するに山崎さんに片思いをし続け約五年と言うことだ。
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