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暗い…ここはどこ?
1人は嫌だ…寂しい…
誰かいないの?…誰もいない。1人だ。
私は1人だ。
―――
――
「……ん…」
目が覚めると目の前には見知らぬ天井があった
「ここ…どこ……?」
そう思い上半身をほんの少し起こしてあたりを見渡す
障子に畳、自分の周りには無かった物ばかりだ
畳のいい香り…
畳の優しげな和の香りを吸い込んでいると障子が突然開いた
「あ、起きてたんですね」
開いた障子の目の前には中性的な顔立ちの美男子が立っていた
うわっ、美人…!
綺麗な茶色の色をしたサラサラの髪を下のほうで結い、目はクリクリしている。鼻はシュッとしていてその下には形が良く血色のいい唇。
ともかく、美人だ
「どうしました?」
「あ、すいません何でもないです…」
イカン、イカン見とれていた…
「気分はいかがですか?」
「おかげさまで…?」
「そうですか…よかったです(ニコッ」
おーっ!…美人過ぎる…
「にしても、何故あんな所で倒れてたのですか?」
「あんな所ですか…?」
花香は暫く考え、そして閃いた
「あぁっ!ベランダで雷に撃たれちゃったみたいなんですよね」
「…ベランダとはなんですか?」
「………は?」
私は美人さんの言っていることを理解できず聞き返してしまった
「ですから、ベランダとはなんですか?西洋の言葉ですか?」
美人さんは目をキラキラして聞いてくる
「本気でいってるんですか……?」
「はい!教えてください!」
花香はそれを聞いて首を傾げながらも今時こんなこいるんだと思い、丁寧に説明してあげた
「へ~…そんなものがあるんですか…」
美人さんは感心したようにのべる
本当に知らないんだ…
「それより、雷にあたったんですよね?」
「はい」
「何で死ぬどころか、傷が1つもないんですか?」
私はそういわれて自分の体をみる
「あれ?本当ですね…ってか、着物!?」
「あ、濡れていて勝手ながら着替えさせて頂きました。」
「………あなたがですか!?」
「ここの医者をやってる人ですよ」
あぁ…よかった
「でも、着物だなんていいとこのお家だったりしちゃうんですかね…?」
「そんなわけないじゃないですか!あはは!」
美人さんは私の言葉をきいてお腹をかかえて笑いだした
そんな笑うとこあった…?
私はその様子をながめていると目がある一点をとらえた
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