始まり

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この世には 悪魔、死神、蜘蛛、天使、魔女―― 人間以外の者も多く存在しています。 “彼”もまた…他族の生血なしでは生きてゆけない孤独な者。 そんな彼の目の前に現れたのは、一人の幼き当主でした。 「…何だお前…お前もボクの財産目当てか…?」 「…いや、私は血さえあれば他は何もいらない」 幼き当主はフッと息を吐き皮肉っぽく言いました。 血?じゃあ何だ、お前は吸血鬼だとでも言うのか、と。 “彼”は答えました。 「あぁ。丁度今新たな主を探していた所だ、お前は何をしている」 当主は答えませんでした。ただただ鋭い瞳で彼を見つめていました。 やがて“彼”はこう告げました。 ――お前の地位、名誉、富、そして命。全てを守ると誓おう。その代わり血を分けろ。
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