日の当たらない場所

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すごくかっこいい…… 整った顔は二重の目にスッとした顔。かっこいいというか、きれいに近い。 茶色の髪の毛が春の風に揺れている。透明なガラスのような目は、あたしの姿を映していた。 「悩みあるなら聞くよ?いいだろ、他人なんだから。」 彼はあたしを安心させようとしてくれているのか、笑顔で話しかけてくれた。その顔に見とれてしまう。 「俺の顔に何かついてる?」 「え、やっ、ついてないです。」 彼が不思議そうに聞いてきたので慌てて答えた。そっかとまた笑顔に戻る。 なんだろ、この気持ち。 どこかの雑誌に出ていそうなこの人に怖さをおぼえる。それは、過去のトラウマからだった。 彼はかっこいいよ、ナンバーワンホストになれるかと思うくらい。 だとしても、あたしの体は震え始めた。
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