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そんなあたしを見た彼は、困ったように頭をかいた。
「どうすれば安心してくれる?」
他人の彼を困らせたくない……あたしは下を向いて彼を見ないことにした。
「この世界が嫌になったんです。もう、生きていたくないんです。」
はじめて人に話したあたしの過去。彼に言えることだけ、あたしは言った。
これまでのいじめの言える部分、今日のこと、そしてお母さんのこと。
彼が真剣な感じで聞いてくれたので、あたしの口は止まらなかった。
「あの人たちにとってあたしは道具なんです……そんな人生なんか……嫌です……」
目の奥に熱いものを感じた。今まで一人で溜め込んだものがあふれでてくる。
彼はあたしの頭を胸へと押しつけた。香水の香りがするそこは、なぜか居心地がよかった。
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