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死ぬのは怖い。あたしの傷跡が増えると共に、あたしの弱さが浮き彫りにされる。
あの人たちはなんであたしを選んだんだろうか。あたしはただ、楽しく小学校から過ごしたかっただけなのに。
お母さんにも明かしていない、あたしの秘密はさらにあたしを追い詰める。
「ねぇ、渡辺結香ちゃん。」
あの人が近づいてきた。あたしを見下ろすように顎をあげ、楽しそうに笑っている。
「これからもよろしくね?」
表情とは違う、冷たい視線があたしの体に突き刺さる。耐えられなくなって顔を背けた。
彼女はふてくされたような鼻をならしたけど、まあいいわとその場を離れていった。
やっぱり変われないんだ、あたしはあの人たちの道具なんだ。
呼吸するのも辛くなる。帰りたいという思いが、あたしの心からわき上がる。
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