日の当たらない場所

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「よかったぁ!私、もうこういうことできないのかと思うと悲しかったんだ。」 「ほら、何して遊ぶの?」 地面に手をついて起き上がろうとした。でもあたしの背中に重たいものが降ってきて、声を漏らしながらつぶれてしまった。 「やだぁ、座り心地が悪いこと。」 知らない女子の一人があたしの背中に座っていた。非力なあたしでは持ち上げることができない。 「買ったばかりの制服、切っちゃう?」 「いいねそれ!」 あの人の提案が採用されたらしい。もがくあたしにハサミを見せる。 これはお母さんが買ってくれたんだ、初日でこんなこと…… あたしの祈りは叶えられることなく、ハサミはあたしのセーラー服の袖を切り刻んだ。 セーラー服、スカートに、切り込みが入れられていく。
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