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「私達鬼は本来、人間が入り込めない山で生活をしている。稀にそこに迷い込む人間がいて、そういう人間の魂を食って生きているんだが、ある日突然屍鬼が一族から抜け出し、都に降りてきてしまった」 「……魂を、食う」  相槌を打つ代わり、諫早は鬼としての桜鬼の発言に非難めいた呟きを声にした。 「勘違いするな、私達だって人間と同じように生きているんだ」  話の骨を折られた事に、幾分不機嫌そうに返事をして、桜鬼は話を進める。 「それで、その屍鬼を捕まえてくるように長老から言われ、私も山を下りて来たんだ。山を降りてから随分探したよ。そしたら昨日……ようやく屍鬼に会った」  桜鬼はその時の事を思い出したように、ぼんやりと川辺を見つめた。
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