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今思えば、たかが高校2年生のゆうかに誘導されてしまった様な感じだ
その答えで彼女が納得したのかどうかそれは未だにわからないが
その時の彼女の横顔は何かを決意したような顔に見えた
『じゃあどうするの?』
私とした事が、この時は多分イニシアティブを取られていた
その先の問答は想像するまま、だ
「俺と付き合って」
『・・・』
すぐに返事をしない彼女の横顔をそのまま眺めていた
こんな表情もあるんだな
そんな発見をした事が ちょっと嬉しかったりもした
『本当に好き?』
「好きだよ」
『じゃあ、いいよ』
大人ぶった返事をした彼女を
その時初めて愛おしいと思えた気がする
「こっちむいて?」
そういう私の言葉に素直にこちらを向く彼女に
もう一度触れるか触れないかのはかないキスをして
「そろそろ暗くなっちゃうから帰ろうか」
そういって彼女を家まで送り届けた
この日から、私とゆうかとの関係は
世間で言う「恋人」と呼ばれるような形になっていた
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