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「何故…来たんですか」
澤口が苦し気に言葉を吐き出す。
「あのままほっといてくれれば…彼も満足したでしょうに」
「澤口先生、あいつに脅されとるんですね?」
小杉が澤口の顔を覗き込む様にして訊ねる。
澤口が答える事はなかったが、その沈黙が暗に事実だと肯定している様だった。
「もう、ほっといて下さい。
これ以上関わればあいつはきっとあなた達を潰しにかかります」
澤口はそう言い、倉庫を出ていこうとしたが、入り口に手をかけたところでそっと此方を振り返った。
「…助けて下さって…ありがとうございました」
澤口はその言葉を最後に倉庫を出ていった。
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