護るために

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「拒否したらどうなります?」 「しばらくは表を歩けなくなるでしょうね」 分かりきっていた男の答えに澤口は乱暴に頭を掻いた。 元より澤口に選択肢などはなかった。 さんまに迷惑をかけない様に穏便に事を収めるには、彼に抱かれるしかないのだ。 「…いいでしょう」 「流石は澤口先生。 話が早くて助かります」 男が先ほどまでの笑顔を醜悪に歪めた。 澤口は再び頭を掻いて、深いため息をついた。
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