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そういえば、今日は下田の事でもやもやしていて、食欲が湧かなくて、お昼御飯をあんまり食べていなかった。
「減ってるみたいですね…?
丁度よかった」
下田は、お腹がなった俺を見て再びクスクス笑うと、自分の鞄の中から何かを取り出した。
「これ―…。」
「チョコレートです。
甘いものは嫌いですか?」
下田が鞄から取り出したのは、チョコレートの箱だった。
しかもそれは昨日、ゲーセンで頑張って取っていた―…。
「これ、昨日ゲーセンで取りすぎちゃったんですよ。
妹にあげたりしたんですが、もういらないって言われちゃって…。
よかったらもらってくれませんか?」
チョコを見て固まる俺にそれだけ言うと、下田はチョコを押しつけるように俺に渡して、そそくさと教室を出て行った。
……昨日ゲーセンで取りすぎちゃったんですよ、だって?
嘘に決まってる。
だって。
あんなにお金をつぎ込んで、1つしか取れていなかったじゃないか。
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