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「・・・・・・まさか、俺が下田の事を?」
ありえない。
と思いながらも呟いてみると、妙にしっくりきた気がして。
男同士なんてありえない、なんて考えを持っていた俺だけど、俺が下田を好きということには嫌悪感はなくって、逆にそのことを肯定するかのように顔が熱くなったりドキドキが増したりと、体は反応を示す。
もしかして、いや、もしかしなくても俺は―…。
「ッ!!」
自分の下田に対する感情が何か分かった俺は、ガタン、と音をたてて立ちあがる。
そして、どこかに消えた下田を急いで追いかける。
何で俺にあんな嘘をついたのか。
そして、なんで俺にチョコをくれたのか。
それを聞くために。
誰もいない廊下を全力で走った。
――――自分の初恋が両想いである事を願いながら。
END
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