ちょこれーと

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「なあなあ、朝輝ー。 今日もゲーセンいかねぇ?」 2月13日の放課後。 クラスの女子は明日のバレンタインの話で盛り上がっていて、どうしよう、とか、チョコつくらなきゃ、とか忙しそうな声が聞こえる中、それに反するように、のんびりと幼馴染の祐太がそう声をかけてきた。 祐太とは放課後に、帰宅途中にあるゲームセンターに毎日のように行っていた。 中学生の俺たちは、ゲームセンターの立ち入りは禁止、ということが学校の校則で決まっていたけれど、先生がゲームセンターに見回りに来るわけではないし、校則なんて守ってるやつなんてほとんどいなかったしで、俺達は校則を破ってゲームセンターに行っていた。 「別にいいよ」 今日は特に何もない日だし、女子じゃないからチョコレートをつくる必要もないしで、俺はそう返事をする。 「うし、じゃあ行こうか!」 俺の返事を聞いた祐太は嬉しそうに俺に笑いかけると、俺の机の上に置いていた鞄をもって歩き出した。        *
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