プロローグ

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花の高校生生活に夢を膨らませるのは個人の自由だ。 楽しそうな部活。賑やかな授業風景。何よりも恋愛だろうか。 どれも俺のイメージからくるものだが、しかし、誰もが高校生生活に夢膨らませているという固定概念は捨ててほしい。 部活が特別楽しそうだとは思わない。野球やサッカーのようなスポーツを、居残ってまでする気にはならない。 授業が賑やかなのは確かにいいことだが、俺は特に期待しているわけではない。 何より、恋愛というものをイマイチ理解出来ていないのだ、俺は。 誰もが彼女を欲しがっていると思っては欲しくない。 何が言いたいのかと言うと、つまり俺は高校生に対してあまり夢見ていないのだ。 だから高校だって適当にそれっぽいところを受験したわけだ。 しかも、俺が通う学校についてのことだが、なぜか坂の上にありやがる。 ダイエットをしてもどうしても長続きしない、そんな女の子にはオススメするが、汗をかくのが嫌いな人にはオススメ出来ないな。 いや、汗かくの好きな人間なんて希少な存在だろうけれど。 車の通りは多いし、駅からも遠い。俺は自転車通学だからあんまり関係はないんだけどな。 つまり何がいいたいのかというと、登校初日──入学式の日から俺はこの高校に入学したことを後悔しつつあった。
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